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関門景観条例の概要

関門景観条例とは、下関市及び北九州市の市民が共同で受け継いでいく貴重な財産である関門景観を保全し、育成し、又は創造するために必要な事項を定めることにより、関門景観の魅力を更に高めるとともに、将来の市民に継承することを目的としています。 平成13年10月に条例を制定し、当時は、県境を越えて、両市が同一名称・同一条文全国初の事例で、地区の指定としても全国最大規模のものでした。 その後、平成16年7月に、関門景観条例に基づき関門景観形成地区を指定、関門景観形成指針を定め、8月より条例に基づく届出制度を開始しました。 平成16年の景観法制定を受け、両市が共同して、風光明媚な関門景観について景観法を活用するため、両市の景観計画に関門景観計画(関門景観の形成に関する部分の計画)を定め、平成22年10月1日に関門景観条例を改正し、平成23年4月1日に施行しました。(平成23年12月一部改正)

関門景観条例

(平成23年12月21日改正)
第1章 総則
目的
第1条 この条例は、下関市及び北九州市(以下「両市」という。)の市民(以下「両市民」という。)が共同で受け継いでいく貴重な財産である関門景観を保全し、育成し、又は創造するために必要な事項並びに景観法(平成16年法律第110号。以下「法」という。)の規定に基づく景観計画のうち関門景観の形成に関する部分の計画(以下「関門景観計画」という。)の策定、行為の規制等について必要な事項を定めることにより、関門景観の魅力を更に高めるとともに、将来の市民に継承することを目的とする。
定義
第2条 この条例において次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。
  1. (1)関門景観 関門海峡並びにそれに面した地域における山並み等の自然環境、歴史や文化が薫る街並み及び人々の活動により構成される景観の総称をいう。
  2. (2)関門景観の形成 関門景観を保全し、育成し、又は創造することをいう。
基本理念
第3条 関門景観の形成は、下関市及び下関市民又は北九州市及び北九州市民が個別に行うのみならず、両市及び両市民が、共同して行うことが求められていることにかんがみ、両市及び両市民はこれを連携して行わなければならない。
  1. 2 関門景観の形成は、市域内部における景観のみならず、関門海峡の対岸及び海上からの眺望についても配慮して行わなければならない。
  2. 3 関門景観が現在及び将来の市民にとってかけがえのない貴重な財産であることにかんがみ、将来の市民に、より魅力あるものとして継承していかなければならない。
市長の責務
第4条 市長は、前条に定める基本理念にのっとり、関門景観の形成に関する基本的かつ総合的な構想(以下「関門景観基本構想」という。)を定めなければならない。
  1. 2 関門景観基本構想は、次に掲げる事項について定めるものとする。
    1. (1)関門景観の形成に関する目標
    2. (2)関門景観の形成に関する基本方針
    3. (3)前2号に掲げるもののほか、関門景観の形成に関する重要な事項
  2. 3 市長は、関門景観基本構想を策定し、又は変更しようとするときは、あらかじめ、地方自治法(昭和22年法律第67号)第252条の7第1項の規定に基づき両市が共同で設置する関門景観審議会(以下「審議会」という。)の意見を聴かなければならない。
  3. 4 市長は、関門景観基本構想を策定し、又は変更したときは、速やかに、公表するものとする。
  4. 5 市長は、関門景観の形成のための施策の策定及び実施に当たっては、市民の意見、要望等を反映させるよう努めなければならない。
市の先導的役割
第5条 市は、建築物、道路、公園、港湾その他の公共施設の整備を行うときは、関門景観の形成に先導的な役割を果たすよう努めなければならない。
市民及び事業者の責務
第6条 市民は、第3条の趣旨を踏まえて、関門景観の形成に関する意識を高めるとともに、自ら進んで関門景観の形成に寄与するよう努めなければならない。
  1. 2 事業者は、第3条の趣旨を踏まえて、その事業活動に際しては、関門景観の形成に寄与するよう努めなければならない。
  2. 3 市民及び事業者は、関門景観基本構想を尊重し、市が実施する関門景観の形成に関する施策に協力しなければならない。
第2章 関門景観計画
関門景観計画の策定
第7条 市長は、関門景観計画を定めるに当たっては、関門景観基本構想に即してこれを定めなければならない。
2 関門景観計画においては、次に掲げる事項を定めるものとする。
  1. (1)関門景観形成地域(関門海峡に面した地域のうち、関門景観の形成を積極的に推進していく必要があると市長が認める地域をいう。以下同じ。)の区域
  2. (2)関門景観形成地域における法第8条第2項第2号の良好な景観の形成のための行為の制限に関する事項
  3. (3)関門景観形成地域における法第8条第3項の良好な景観の形成に関する方針
  4. (4)前3号に掲げるもののほか、市長が必要と認める事項
策定の手続
第8条 市長は、関門景観計画を策定し、又は変更しようとするときは、あらかじめ、審議会の意見を聴かなければならない。
第3章 行為の規制等
関門景観形成地域内において届出を要する行為等
第9条 法第16条第1項第4号の条例で定める行為は、次に掲げる行為とする。
    1. (1)関門景観形成地域内における土地の開墾、土石の採取、鉱物の掘採その他の土地の形質の変更
    2. (2)関門景観形成地域内における水面の埋立て又は干拓
2 前項各号に掲げる行為に係る届出は、法第16条第1項に規定する事項を記載した届出書及び当該行為の内容を示す図書その他の規則で定める添付図書を提出して行うものとする。
3 前項の届出に係る法第16条第1項に規定する条例で定める事項は、当該行為をしようとする者の氏名又は名称及び住所並びに法人にあっては代表者の氏名並びに当該行為の完了予定日とする。
4 法第16条第2項に規定する変更の届出に係る条例で定める事項は、設計又は施行方法のうち、その変更により同条第1項の届出に係る行為が同条第7項各号に掲げる行為に該当することとなるもの以外のものとする。
法に基づく届出をした者に対する通知
第10条 市長は、関門景観形成地域内における法第16条第1項各号に規定する行為に係る同項又は同条第2項の規定による届出があった場合において、当該届出に係る行為が関門景観の形成に支障を及ぼすおそれがないと認めるときは、その旨を当該届出をした者に通知するものとする。
助言及び指導
第11条 市長は、前条の届出があった場合において、関門景観基本構想及び関門景観計画に照らし必要があると認めるときは、当該届出をした者に対し、必要な措置を講ずるよう助言し、又は指導することができる。
勧告の手続
第12条 市長は、第10条の届出をした者に対して法第16条第3項の規定による勧告をしようとするときは、あらかじめ、審議会の意見を聴かなければならない。
公表
第13条 市長は、前条に規定する勧告を受けた者が正当な理由なく当該勧告に従わないときは、その者の氏名又は名称及び住所並びに法人にあっては代表者の氏名、当該勧告に従わなかった旨並びに当該勧告の内容を公表することができる。
  1. 2 市長は、前項の規定による公表をしようとするときは、あらかじめ、当該勧告を受けた者(法人にあっては、その責任者)の意見を聴かなければならない。ただし、その者が正当な理由なく意見の聴取に応じないときその他意見の聴取が困難であると市長が認めるときは、この限りでない。
  2. 3 市長は、第1項の規定による公表をしようとするときは、あらかじめ、審議会の意見を聴かなければならない。この場合において、市長は、前項本文の規定により聴取した意見の要旨(同項ただし書に規定する場合にあっては、意見を聴取できなかった理由)を記載した書面を審議会に提出しなければならない。
関門景観形成地域内における行為の届出等の適用除外
第14条 法第16条第7項第11号の条例で定める行為は、関門景観形成地域内における次に掲げる行為以外の行為とする。ただし、関門景観の形成に重大な影響を与えるおそれがあると市長が認める行為については、この限りでない。
  1. (1)次に掲げる建築物(建築基準法(昭和25年法律第201号)第2条第1号に規定する建築物をいう。以下この号において同じ。)及び工作物(煙突その他の建築物以外の工作物で規則に定めるものをいう。以下この号において同じ。)の新築(工作物にあっては、新設)、増築、改築、移転、大規模の修繕若しくは模様替又は外観の過半にわたる色彩の変更(色彩の変更に係る面積が従前の外観に係る面積の2分の1を超えるもの)
  2. ア 高さが10メートル以上の建築物
  3. イ 延べ面積が1,000平方メートル以上の建築物
  4. ウ 高さが10メートル以上の工作物(建築物の上に設置する場合は、当該工作物の高さと当該建築物の高さを合計した高さ)
  5. エ 築造面積が1,000平方メートル以上の工作物
  6. (2)1,000平方メートル以上の土地の形質の変更
  7. (3)高さが3メートル以上かつ延長が10メートル以上ののり面又は擁壁を生じる土地の形質の変更
  8. (4)1,000平方メートル以上の土地を生じる水面の埋立て又は干拓
第4章 雑則
委任
第15条 この条例の施行について必要な事項は、規則で定める。

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